コロナの影響で、オンライン授業を売りにした塾が続々と登場しています。また、既存の塾でもオンラインとの併用あるいは、オンラインのみの受講者も募集しています。
正直再び感染者が急増し、学校の部活などのクラスター発生に、いわゆるコロナ鬱のようになり、学校に通えていない子供たちもいるようです。
当塾の生徒達も、うつにはなっていませんが、夜になっても暑さが続くこの猛暑、わざわざ通塾したくないなと口にする子もいます。私も、若干思います(笑)
確かにオンラインは便利。以前の投稿でも生徒たちと面白いキャラクターになって、結構楽しんでやれたことも書いています。ただ、あまりにも家庭環境が見えすぎて困ったとも書いています。
けれど、それ以外にも、何か腑に落ちないものを私はずっと感じていました。そして、その理由に最近気づきました。
私は、塾の優先順位を知らず知らずのうちに、勉強以外のことを上位にあげていたのです。
よく、生徒に成績だけUPさせたいなら、学校には行かなくてもいいと考える塾もあるよ。と私は言います。塾で、学校でのまどろっこしい説明を聞かずにさっさと進めた方がどれだけ効率的かと。
中3の3学期は、仮病を使い学校を休む人が増えます。
受験勉強のことだけ考えたら、副教科に費やされる時間などは、無意味になると考え上位校に合格させることのみに心血を注いでいる塾などは、平日も朝から塾生を呼ぶところもあります。
当塾の生徒にも学校に行きたくないと言い出す人がそのころになると出てきます。
だけど、私は行きなさいと言います。学校は勉強をしに行くところではないからです。
友達や先生方の触れ合いなどから、社会に出て役立つ様々なコミュニケーションツールを知らないうちに学べることが一番の目的だと私は、考えます。辛いこと、嫌なこと、理不尽なこともすべて含めて。
このような考えを私は持っているので、塾もオンラインだけにしたくないんです。
よその塾はどうなのかわかりませんが、私は、生徒の勉強の進捗度以外のことも、すごく気になります。
急に言葉遣いが乱暴になったなとか、筆圧が弱くなったなとか、何か悩み事があるんじゃないかなとか、家で何かあったのかなとか、友達とうまくいっていないのかなとか、もう、あとからあとから色々な心配がわいてきます。
特に小学校低学年から中学まで通ってきている子などは、毎年毎年色々な出来事に直面します。
友達がいないとか、いじめられているとか、泣きじゃくる子供たちの話に耳を傾けながらなんとか少しでも力になろうとあれやこれや解決策を示しながら、どうにか乗り越えて、結果子供たちがたくましく成長し強くなったなと思える瞬間のほうがテストの点数が高得点より嬉しかったりする私です。
こういうことって、オンライン授業だけでは、無理がありますよね。
一対一の対面のオンラインでもです。
なんか画面を通してだと、盛り上がり感も見せかけだけで、すごく無機質なものに感じてしまいます。
ソーシャルデイスタンスを守らないといけないので、塾を再開してからは、私の机にはアクリル板を設置していることも前回触れました。
映画館のチケット売り場の窓口のように、そこから生徒はテキストを差し入れます。そして、私が採点してまた返すシステムです。
だけど、そこに向かわず、私が座っているところに直接持ってくる子もいます。
「いやいや、それじゃ、意味ないじゃん」と言いつつ自然に笑みがこぼれます。
スキンシップはまだまだできないけれど、心と心はつながっているという思いを持てるからです。可愛くて可愛くて、ほんと、ぎゅっと抱きしめたくなります。
プロゼミ 小川