しつけとは

塾のこと

170510最近塾の前の道に小さな自転車、ペダルなしだが、乗り捨てられている。
塾の生徒曰くペダルなしなのは幼児が乗るものだとか。
ある日その自転車に乗っている子を発見。
黄色い帽子に黄色いカバーをつけたランドセル。一目で小1とわかる。
しかも、帽子にランドセルのままだということは、一度も家に帰っていないことになる。
「あなた、まず、一度家に帰って帽子をとってランドセルも置いてきてから、遊びなさい。だいいち、どうして家に置いておかないの?」
「1階にしかないの」 自転車の置き場所のこと?
「じゃあ、家の玄関の前まで持っていけば?」
私の問いかけには返事せず、そのまま、乗り捨てて彼女は自分の家に帰っていった。
案の定例のマンションだった。
指定日以外のゴミ出し頻繁。明らかに風俗関係とわかる人たちの出入りも激しい。
管理会社も匙を投げ何度も変わった。結局自然にそういう住人が集まってしまった。
お母さんは働いているみたい。首からカギをぶら下げていた。お母さんが働いている家庭は確か学校帰りも学童クラブかなにかでしばらくは面倒を見てくれるはず。
もともと、申し込まなかったのか、はたまた最初から、申し込まなかったのか。
2日くらいは放置されていた、その自転車に、久しぶりに乗っているのを見かけた。
そして、また、乗り捨てていた。
いったい、どんなお母さんだろうかと思ってしまう。
お帰り。うがいして、手を洗ったらテーブルの上のおやつを食べてね。それから、宿題をちゃんとしてから、遊びに行くのよなどと、置手紙してくれているだろうか?
片手で軽々と抱えられる自転車なので、私が、そのマンションの入り口に戻した。
それから、また、数日してから、自転車が私の塾の前に乗り捨てられていた。
まるでいたちごっこ。
親の顔も知らないし、とにかく私が声をかけていこうと思う。
おせっかいかと思うけれど、この子の行く末を思うと今のうちに何とかしてあげたい。

今、確かにお母さん方は忙しい。専業主婦などはごくわずか。
でも、忙しくても最低限のルール・マナーは教えてあげないといけない。それが、親の務め。我が子の将来を思えば頑張ってほしい。

電車の中での出来事にも少し眉をひそめることが。
私立中入試でもさせるのか、祭日の移動中の電車内でも時間が惜しいのか、窓を机代わりに一心不乱で低学年の男子が算数を解いていた。解き終わると、母親に渡す。母親はにこりともせず、カバンから筆箱を取り出すと採点を始めた。
ふつう、今どきのお母さんはスマホ。時には子供のこともそっちのけで夢中で携帯の画面を見ている。これも、まあ、いただけない話ではあるが、ある意味こちらの方が人間味を感じる。
抑揚のない声で子供の間違いを指摘する母親.ほんとに、これぽっちも笑みは浮かんでない。
電車の中で勉強すること、させること、何も悪くない。
ただ、靴は、履いたまま。
通路側に背を向け机に窓をしているのだから、必然的に両足は座席に触れる。
靴を脱がせることから始めないといけないのではないか。
計算の間違いを指摘するために公共の場におけるマナーを教えるべきではないか。

東大出身の人たちによるクイズ合戦も最近流行っているが、クイズの内容は正直長く生きているものならある程度答えられる問題。もっと、掘り進んだ専門知識はもちろん答えられはしないが、それを学んだものにとってはしごく簡単。驚嘆すべきことではない。
福岡の私立女子高の中村学園を作った、中村ハル先生の言葉。

「人間は頭の良しあしや学力の優劣よりも人物が出来ていることが基本である。」

まさにそれに尽きる。
我が子にはまず社会的ルールを身につけさせ、人に対する思いやりの大切さを説き、最後に学問だと私は思う。

プロゼミ 小川

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