介護のこと

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最近の母

二年ぶりに母の姉とご対面 にこやかな笑顔を浮かべているが、残念ながら実の姉のことは覚えていなかった。 二年前は涙のご対面だったのだけど。 お姉さんの方は私の母が実の妹とは認識していたものの、二年前母の施設で会ったことは、すっかり忘れていて、何度も母が営んでいたタバコ屋のことを聞いてきた。 帰りしな母に「あの人は誰だった?」と聞いてみたが、 それが、誰か全然わからんかった」と困った顔をした。 最近は私の妹、つまり末娘のこともわからないようだ。母がその相手を身内と認識しているかどうかは、話し方でわかる。身内以外の人、例えばスタッフさんとかには敬語を使う。 実の姉にも私の妹にもそういうわけで、敬語を使う。 考えようによっては、社会性は残っていると言えるかもしれない。きちんと、敬語を使い分けているのだから。 先日は妹に私を指さして「あれが、私の娘です」と説明していた。「私もあなたの娘よ」と妹が言うと、困った顔をしていた。 この話を卒業生のお父さんで、私が通う鍼灸院の先生でもある方に話すと、「私のところもそうです。私を私の兄と勘違いして話しますから、カチンときます」と笑いを交えながら話された。 ...
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人を思うということ

母を今の施設に移して2年が経とうとしています。 訪ねると、相変わらずいい笑顔。 他の利用者さんも勿論穏やかに過ごしていらっしゃいますが、顔ぶれは、随分違ってきました。 ご高齢の方も入居なさっていたので、何人かお亡くなりになってしまわれ、そして、そのあと、新しい利用者さんが入居してこられるので、自然と顔ぶれが変わります。 予感はあります。ご自分で歩いていらした方が、車いすになり、そして、ついには寝たきりになる。 そして、以前にも増して足しげく身内の方が面会に来られる。 ああ、長くないんだなあと身につまされます。 けれど、いつも元気な方の姿が突然見えなくなることがあり、そういう時は覚悟が出来ていないので、かえって不安になります。 そういう場合はだいたい入院です。 転倒骨折・肺炎・心筋梗塞・脳こうそく等々。 母が、よく、人は病気では死なない。寿命で死ぬんだと、言っていましたが、その通りだと思います。100歳近い方でも見事に復活、退院されたし、骨折で入院長引いたら、ぼけちゃうんじゃないかしら?と、思ったおばあさんも最近退院され、相変わらずかくしゃくとなさっています。 また、胃ろうのため食事を口...
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ぼけてよかった?

母が今の施設にお世話になって、二年ほどの時が流れました。 最近は、昼間ベッドに横になる日が多くなりました。と、言っても体調を崩しているわけではありません。 聞くところによると、母は日中はなかなか排尿排便をしないらしい。 そして、夜間、おむつをしていても染み出すくらいの大量の尿をするそうです。 と、なると、本人も介護者も大変。そこで、日中も夜と同じ雰囲気を作るために昼食後の何時間か横になってもらうことにしたとか。 そのことにより心も体もリラックスするのか、昼間も排尿・排便起こるようになり、おむつの量も少なくなり、また、安眠も得られるようになったとか。 実は、介護に関しては以前はベッドに手を縛りつけたり、つなぎ服を着せたりすることが容認されていました。けれど、最近は拘束するということは人権に対する配慮がないということで、病院では命の危険もあるので、ある程度認められていますが介護施設では法律違反になるので、禁じられています。 母が入院した時はおむついじりがひどい為、私の了承を得てつなぎ服を着ていました。 次の施設では、拘束はできないので、大判のバスタオルを体に巻きつけて防いでいました。 そし...
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認知症事故家族免責

私は学習塾を経営しています。今年度から偏差値60以上の高校に全員合格を目指すべく一斉授業もとりいれます!!と強い決意もブログTOPに書いています。 しかしながら、塾の記事かと思いきや、介護のことなど書いてあると違和感を持つ人も多いでしょう。 けれど、このことに関しては、このブログを立ち上げる時も説明したと思いますが、私も仕事を抱えながらたった一人で認知症の両親を在宅介護した経験があります。とても大変だったのは間違いありません。そして、高校の先生方が塾訪問された時もお互いの介護の話、あるいは、メールでもその話。保護者とも生徒さんの話をしていても、いつの間にか介護の話。塾を卒業した後も、頻繁に認知症のお母さまのことで電話をかけてこられる方もいます。 ここで、不思議なことに気づかれませんか?なぜ、私に相談するの?私は身内ではない。赤の他人。それなのにどうしてかわかりますか? それは、当事者でしか、介護の大変さを理解することが出来ないからです。たった数時間でさえ介護経験もない身内より、本当に経験した人に相談したり、愚痴を言った方が心が晴れるからです。 正直私が介護している時は周りに相談できるよ...
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在宅か、施設か。

両親を介護するとき在宅か、施設かみんな悩むと思います。 私は、もし、両親が足腰しっかりしていたら、在宅は可能だと思います。 認知症も最初は、本人達も自分がおかしくなり始めていることをうすうす感じているので、その恐怖不安の裏返しで、家族にあたりちらします。けれど、だんだん症状が進むと、その感情もなくなるので、まあ、言葉は悪いですが扱いやすくなります。 ただ、あまりにも足腰が達者だと徘徊するので、ケースバイケースです。 私は、父が徘徊と昼夜逆転に危険行為などがあり、しかも、私一人で認知症の両親を介護しないといけなかったので、在宅は無理でした。 父は施設に行く前精神科に入院させましたが、入院中に肺炎を起こし内科の病院に転院、そのあと、お世話になっていたデイサービスのショートステイにお願いしましたが、また、そこで、誤嚥性肺炎を起こし、再度入院。そのあと、今度は別の療養型病院に転院。 もう、そのころは、体力はなくなり、ずっと車いすで目を閉じたまま。 ところが、看護師さんの話では、夜、覚醒、足腰弱っているのに素早い動きでベッドの柵を乗り越えるとか。病院側は骨折などを気にしていて、早く出て行ってほし...
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父の入院

父は穏やかな性格でしたので母のように認知症になっても、暴力的ではありませんでした。けれど、自分が年を老いていることは理解できないようで、若いころと同じことをします。いわゆる年寄りの冷や水です。 一人では、とても運びきれないベッドを2階に上げると言い張ったり高い壁を塗り替えると言って、よろよろしながら脚立に乗ったり。 どういう訳か、電車を買ってくるとか言い出してふらふらしながら自転車に乗り、あげくのはて転倒したり。 そんなこんなで、毎日が危なっかしくてみていられません。父にもリスパダールを処方してもらいました。けれど、母が入院していた病院では、老人という事もあり、とても、量を少なく回数も本当に頓服的に興奮時にと処方されていたのに、父を近くの心療内科に連れて行ったら、倍ぐらいの量を平気で出されました。怖かったけれど、そうでもしないと、何をしでかすかわからない父です。おとなしくさせたほうが得策と、飲ませ続けました。 けれど、やはり、日を追うごとに父は母よりも廃人のようになりました。 周りは扱いやすいけれども、これでは、生きるしかばね状態です。思い切ってやめました。けれど、パーキンソン病のよう...
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私が母を入院させた理由

私の両親は共に認知症になりました。 父は穏やかな性格で子供たちに対しても暴力などをふるうひとではありませんでした。 ですから、認知症になってもそれほど最初は困りませんでした。 けれど、母は、もともと明るく人付き合いもうまいのですが、反面わがままで気性が激しい人。認知症になってからは、それがますます顕著になってきました。 気に入らないことがあると、日傘で私を殴ったり、「今から、この家に火をつけて燃やしてやる!」とか、「電車に飛び込んで死んでやる!」とか、叫びだしてそれは、実の親ではありますが、恐怖心を覚えました。 そのころセロクエルという精神安定剤を服用していましたが、興奮が収まらない日が頻繁になり、少しずつ薬の量も増やしていきました。そして、私もまだ最初の頃は、耐えていました。 けれど、これはやばいと思い始めたのは、母が職場に頻繁に乗り込んでくるようになってからです。私は、学習塾を営んでいます。自宅が三階。塾が二階です。 三階のドアがガチャンと開き階段を下りる音が響きます。私も生徒も生きた心地がしません。 そして、塾のドアを開けつかつかと、私のそばに歩いてきます。その頃生徒が10人ほど...
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これは、まだ、二人とも歩ける頃のデイサービスでの一コマ。永遠にこの状態が続くのが理想。でも、やはり病状は進みます。24時間両親のそばについていられるのならともか く、生活するためには、仕事をしなければならない。多動な父は徘徊します。家の前には 道路に線路。また、トイレに誘導しても、中に入らず窓ガラスを開けそこに用を足そうと する。ちなみにその窓は4階。母は何度隠してもありかを見つけケースの砂糖を平らげる。 グリルを空焼きする。施設に親を預けることをまるで、介護放棄、姥捨て山に親を棄てる 事のようにいう人もいますが、そうではありません。安全な場所に身を置き、憲法25条 の条文みたいですが、健康で文化的な生活を送ってもらいたい、そう思い、施設に託すの です。母は歩けなくなったので、なおさら物理的にも介護の手が必要になりました。 私1人では、お風呂にも入れられません。また、人工関節の手術後主治医から絶対けがを させぬよう言われました。飼いネコのドナちゃんは母によくなついており、頻繁にじゃれ つきます。時折、爪や歯が足首に当たり出血したこともありましたから、これも、1人で 家に置いておけぬ理由...