2019-03

塾のこと

詐欺の子

最近NHKで実話をもとにしたドラマが放送された。 オレオレ詐欺に加担した、少年たちの証言をもとに構成されていた。 所謂、受け子と呼ばれる役をやらされていた、いや、やっていた人間の中には、中学生の男の子もいた。 気楽にお小遣い稼ぎができることに魅力を感じたのか? そうではないようだった。考えてみると、オレオレ詐欺は一人ではできない。そこに、必ず仲間がいる。その子は、そういう仲間たちと一緒にいること、そのものが楽しくてしようがなかったと言う。 その子の家は、共稼ぎか、あるいは、母子家庭か、定かではないが、家に帰ると妹はテレビゲームに夢中。テーブルの上には母親からの置手紙。 「焼き肉ピラフあるから、食べてなさい」母親が働きに行く前に作ってくれているのか? いや、何のことはない。冷凍庫にぎっしりと詰まっているピラフを電子レンジでチンするだけだ。その子は、詐欺仲間たちと買ったスナック菓子や飲み物をワイワイガヤガヤ言いながら食べる方が楽しくてたまらない。さみしさを埋められるからか。 ただ、我が子を思いよろしくお願いしますと頭を下げる老母に対し、徐々に罪悪感を募らせていく。そして、自ら警察に捕まるべ...