塾のこと

できる人

できる人、できない人 最近になって、ようやくわかってきたことがる。 本来ならもっと前にわかるべきだったのだけど。 成績のいい人は興味関心があらゆる分野において、ある。 例えば、カオスという言葉。正直私は意味が分からなかった。 当然すぐ調べた。この、わからない? なんだろう? どういう意味だろう? と、考えだしたら、気になって仕方がない。だから調べる。意味は、「混とんとした。」 ああ、納得。 では、もし、これを成績下位の子に聞いたとしよう。すると、きっと、わかりませんで、終わりになると思う。だから、調べなさいと指示するとしよう。 調べました。混とんという意味です、と、言うだろう。 だがしかし、私は思う。 では、そもそも、混とんと言う言葉の意味を分かっているのだろうかと。 多分、知らないはずだ。そして、きっと、知らなくても構わないのだと思う。気にも留めないのだと思う。 生徒の父親が今単身赴任で和歌山にいる。彼は、そういうわけで、和歌山のことに詳しい。地理や歴史において。 その時彼の友人たちは、何を考えるだろうか? 成績の良い子は、彼の話す和歌山のことに自然に耳を傾ける。下位の子は、我関せず...
塾のこと

絶対評価と相対評価

数年前からエアコンが入ったからと言う口実で、二学期が一週間前倒しで始まることになりました。誰でもわかるゆとり学習による弊害を取り戻すべく文科省は必死です。 もともと、ゆとり教育にしたことがおかしい。学力は当然下がるのは目に見えている。 また、人と比べるのではなく自分と比べる絶対評価が導入されて、通知表もおかしい結果が生まれてきています。 中3にとって二学期の通知表は、とても大事。内申に影響を及ぼすからです。 一学期低かった人は躍起になっていい点数を採るべく画策中。 40点ほどの点数で体育4、80点で同じく4、70点で5、無茶苦茶です。要するに点数ではなく学習態度、あるいは、本人の頑張りが去年より見て取れたから? そんなもの、演技で何とでもなります。 だから、私も演技指導に熱が入ります(笑) 帽子は目深に被らない。また、浅すぎてもダメ。整列するときは、だらだらせず駆け足。 廊下ですれ違う時は、挨拶をかかさず、にっこり笑う。 いやだ、いやだと思いながらも教え込まねばなりません。 先生に嫌われたらお終いです。 通知表で仕返しされるからです。 ある、公立高校の教頭先生が以前おっしゃったことがあ...
介護のこと

拉致被害者の会

7月8日に福岡で拉致被害者を救う会の集いがあり、参加してきました。 拉致問題担当大臣も福岡県副知事も福岡市長もいらしていました。 けれど、正直原稿棒読みの感、無きにしも非ず。 心がこもっていない気がしました。 実は、私はずっと以前から拉致の件については関心がありました。 被害者もそのご家族もちょうど私の世代の方々です。他人事とは思えませんでした。 特に横山めぐみさんに至っては、まだ、わずか13歳。胸が痛いです。 私は塾でその年代の子供たちを教えています。 めぐみさんもそうですが、若くして特攻隊になりゼロ戦に乗って、玉砕していった若者のことにも特に夏が近づくと思いをはせます。 今の若者は、体たらくすぎる。 甘えすぎ。叱られればしょげるか逆切れ。 「お前たちのために、こんな世の中を作るために彼らはお国の犠牲になったんじゃないぞ!」と怒鳴り散らしたいこともしばしばです。 そして、こんなに幼く、こんなに甘えんぼさんの年頃の子供が、そんな不幸な目にあったのだと思うと、もう、かわいそうすぎて、私が親なら気が狂ったのではなかろうかと思います。 実際被害者の家族の方のお話も伺いました。涙が止まりません...
塾のこと

東大生

最近現役の東大生とクイズで対決するTV番組が始まった。 塾が休みの日に観ると、東大だからどうのこうのではなく一定の知識やひらめきが備わっていれば誰にでも解ける問題が多数あった。 例えば、憲法第25条……そこまでアナウンサーが問題を読み上げたところで、東大生がボタンを押した。その段階で私も答えはすぐにわかった。 憲法25条生存権についての条文だ。国民には「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」である。 すると、聴衆やゲストが驚く。なんで、そんなこと知っているんだと。 おいおい、何を言っているのと私は思う。義務教育中3公民で習ったでしょう。しかも、まじ、ここ点取り問題、絶対テストに出るところ。定期考査前には必ず暗記させる。 つまり、東大生でなくても多分小6でも中3でもわかる。 しかしながら、人間というものは、のど元過ぎれば熱さ忘れるという慣用句があるように、その瞬間瞬間では、しっかり学べていたものが大人になれば必要なくなるのですっかり忘れてしまうのだ。 東大生あるいは、挑戦者たちが一般人と違うのはまさに温故知新。新しいこともどんどん吸収し、反面決して今までに得た知識をちゃらにしないこと。...
塾のこと

置かれた場所に咲く

『置かれた場所に咲く』 これは、ノートルダム清心女子大学渡辺和子先生の遺された言葉です。 つい最近これを実感したことがありました。 今年も3月に生徒は巣立ち、晴れて全員希望した高校に通うこととなりました。 毎年卒業生は1学期の間は頻繁に訪れ近況報告。 そのうち、段々と足は遠のき顔を見せなくなります。そして、また高3の夏くらいから今度は大学受験の勉強のために塾を自習室代わりに貸してくれと律儀にいくらかの室料を払いやって来るようになります。 今年も同じパターン。高校は1学期から中間テストも実施されるので、新1年も多く自主勉に来ました。みんな高校は別なのでさながら同窓会のようです。彼らが中3の時も卒業生は土、日も自主勉に来ていて、今来るべきはあなたたちでしょう!! と私から言われていた彼らが、やはり高校になると、こうしてやってくる。家では集中できない。また、まだ、塾に行くには早いなどの理由もあり、古巣に帰ってくるのであります。 テストが終わると、また、ぱったり来なくなります。 私としては成績が気になります。 そんなある日、一人のお母さまからメールが。写真が添付。 開くと、お子さんの成績表が、...
介護のこと

姪の涙

父が亡くなって5年になる。 両親ともに認知症。仕事を持ちながら私一人での在宅介護はやはり大変だった。 机上の空論という言葉がある。 たとえ、介護のいろはを学んだとしても実践に移さねば、ほんとのことはわからないし、ケースバイケース。マニュアル通りに行ったらそんな楽なことはない。 よく、保護者の方からも相談と言うか愚痴を聞いた。 お姑さんを施設にやりたいのだが、ご主人やご主人の身内が反対すると。 お姑さんは認知症。脳こうそく。車いす。気性が荒い。うちの母とそっくり。私は実の母。 いらいらすれば、正直暴言を吐ける。しかし、ご主人の親となると、それもできない。 お風呂に入れるときも重労働で腱鞘炎になったと聞いた。お舅さんは他界しているが、今のご主人の年齢で亡くなられたので、息子なのに夫と勘違いして、浮気をした。愛する夫を奪ったとその保護者の方を殴るという。 身につまされた。 私も母から日傘で殴られ、父もハンマーを振り上げたこともしばしば。 結局施設に入れられた。 私も最終的にはそうした。生徒にも暴力をふるいそうになったから。 それまでの一連の経緯を私は殆ど誰にも相談せず、自分一人で決めた。実の...
塾のこと

しつけとは

最近塾の前の道に小さな自転車、ペダルなしだが、乗り捨てられている。 塾の生徒曰くペダルなしなのは幼児が乗るものだとか。 ある日その自転車に乗っている子を発見。 黄色い帽子に黄色いカバーをつけたランドセル。一目で小1とわかる。 しかも、帽子にランドセルのままだということは、一度も家に帰っていないことになる。 「あなた、まず、一度家に帰って帽子をとってランドセルも置いてきてから、遊びなさい。だいいち、どうして家に置いておかないの?」 「1階にしかないの」 自転車の置き場所のこと? 「じゃあ、家の玄関の前まで持っていけば?」 私の問いかけには返事せず、そのまま、乗り捨てて彼女は自分の家に帰っていった。 案の定例のマンションだった。 指定日以外のゴミ出し頻繁。明らかに風俗関係とわかる人たちの出入りも激しい。 管理会社も匙を投げ何度も変わった。結局自然にそういう住人が集まってしまった。 お母さんは働いているみたい。首からカギをぶら下げていた。お母さんが働いている家庭は確か学校帰りも学童クラブかなにかでしばらくは面倒を見てくれるはず。 もともと、申し込まなかったのか、はたまた最初から、申し込まなか...
塾のこと

丸天うどん?!

最近久しぶりに塾内で泣いてしまいました。それは、前学年の復習テスト。 採点をしていて、涙が止まらなくなってしまったのです。 「どうしたと?」「全部間違えとった?」 不安そうにたたみかけて聞いてきます。 そうじゃない。ほとんど正解していたので、あとからあとから涙があふれてきたのです。 その子は、あっ!そうそう、このブログの表紙を飾っている、まさにこの男の子です。 この生徒は小1でやってきました。早生まれの小1です。どれだけ、幼かったかわかるでしょう?  本来なら幼稚園の年長さんですよ。 私の塾の卒業生で、既に社会人になっている人の親御さんからの紹介でやってきました。 学校の成績がなかなか伸びない。担任の先生からも心配の声がと。 でも、まだまだこれからですよ。少しやんちゃそうですが、大丈夫ですとお預かりしました。 言葉のキャッチボールはできるし、とんちもきくし、決して知能が低いお子さんとは最初から思いませんでした。 けれど、とにかく気分屋、気持ちが乗らないと、てこでも動かない。泣き叫ぶ。 塾から脱走する。  テストの時は抱っこして最初はさせました。 帰る時はおんぶして階下におろしました。 ...
介護のこと

人は病気で死ぬのではなく、寿命で死ぬ。

人は病気で死ぬのではなく、寿命で死ぬ。 これは、母がよく口にしていた言葉です。 私も最近つくづく思います。 母の施設には100歳の人も多くいます。95歳で、足腰がしっかりしていて、今でも颯爽と歩かれる方もいます。 そうかと、思えば、母より、ずっと若い人が寝たきりの場合もあります。胃ろうをしていて、普通の食事ができない人もいました。この方は気の毒でした。楽しいおやつの時間も何も口にすることができないから。 寝たきりの人も勿論かわいそうです。 けれど、あら?  いつのまにか胃ろうの人が普通の食事に変わっている。 寝たきりの人が車いすになっている!! スタッフさん曰く正直お年寄りには将来がないと思われるかもしれませんが、こういう奇跡もあるのです。だから、決してあきらめたらいけないんですよと。 ほんとうに母の言ったとおりです。 けれど…. 普通の椅子に座っていらした方が車いす、そしてリクライニングの車いすに変わり、点滴の管が痛々しく細い腕に… この方を見ていたら自然に涙があふれてきました。 もう、まさに骨と皮。 血管、動脈も静脈も透き通って見えて息も絶え絶えです。奇跡は、もう起こらないかも。 ...
塾のこと

桜咲く!!

公立高校の合格発表です。 今年は3名が一般受験。 筑紫中央高校 1名 柏陵高校 2名 無事に合格。ほっとしたところです。 柏陵高校の二人は順当。筑紫中央の生徒は正直心配でした。どうしても模擬試験ではA判定はおろか、BやCで、私も親御さんもワンランク落とすように勧めました。 本人が行きたいことは重々承知。けれど、お兄さんも今年の春から東京の大学に進学。金銭面で、かなり大変だとか。私立も特進コースに合格しているし、どちらに転んでもいいわけですが、そういう事情から最後の最後まで親御さんも悩まれました。 けれど、彼女の意志は固かった。 見事合格の一報。 私もお母さんも泣いてしまいました。 その後本人からも電話。聞けば、自分より成績の良い人が不合格だったと。 その合否の分かれ目はいったい何だったのか。 多分内申書です。彼女は十分すぎる内申点でした。不合格の子は低かったらしいです。 内申点って、どうだろう? そもそも、内申重視になったのは、本番で日ごろの実力がだせないままに終わる場合もある。つまり、今回のように普段の成績はいいのに思うように力が出せない子のために設けられたのです。そして、主要5教科...