今回は、高校入試についてお話ししたいと、思います。

塾のこと

この時期になりますと、保護者の皆様から相談をたくさん受けることになります。
私立1本で行くか、公立のレベル下げたほうがいいかなどなど。

fotolia_76027655まず、私立入試のシステムをお話します。
私立には3パターンあります。
専願と言って、その高校にしか行きませんというもの。
次に一般入試。つまり、公立との併願。これも、前期と後期に分けられます。
ですから、専願で、もし不合格になっても最終的にあと、2回チャンスが残っていますから、どうしても行きたい私立があるなら、あるいは、本当は自分の実力ではとうてい無理かもしれないが一か八か受験してみたいと思う場合は専願からチャレンジするのもよいでしょう。

また、精華女子高は吹奏楽部が全国レベルの実力です。CDを出したり、テレビ番組に出演して歌手たちと多数コラボも果たしています。
ですから、偏差値がどうのこうのではなく、精華の吹奏楽部に入りたいという理由で専願受験する場合や、東福岡のようにサッカーやラグビーなど、プロ選手も輩出している高校に自分も行きたいと専願を希望する生徒もいます。

そして、私立は成績優秀者や何か才能に秀でている場合は奨学金を出してくれます。
私立は月謝が高いので、だいたい保護者は公立に行ってほしいと思うものです。
しかしながら、例えば野球がとてもうまく甲子園に行きたいと思っていれば、正直公立では難しいのが現実です。そういう場合、専願で私立の強豪校に特待生で行くことが可能です。成績優秀者も特進コースに進むことができます。私立はせっかく優秀な生徒たちが貧しいという理由で結果大学進学などをあきらめてしまうのは日本にとっても損失であるとの考えからどこの私立高校も積極的に奨学金を出してくれています。高校によっては大学の入学金も出してくれるところもあります。

昔はこのような制度はありませんでした。ですから、できた当初正直私は違和感がありました。結局、頭の良い人、スポーツ万能の人だけがもてはやされて、大多数の平平凡凡の生徒たちに不利ではないかと。
けれど、27年間塾をやっているといろいろなご家庭のお子さんを預かることになります。
離婚・死別・あるいはお母さんの蒸発などで、父親・あるいは母親だけになったり、両親がいても、倒産・リストラなどに見舞われ生活が苦しくなったり。
これが受験間際に起こると、悲惨です。情緒不安定になるし、果たして、自分は進学していいのだろうかと、悩むようになります。そういう場合、やはりスポーツが得意な生徒、学力が高い生徒だと、なんとか奨学金をもらい高校に行けるようにしてあげたいと思ってしまいます。ですから、神様がくれた贈り物だ、素直に受け取っていいんだとこの頃は思うようになりました。
私の塾からも多数奨学金のおかげで進学できた生徒がいます。
ですから、人は人、自分は自分で腐らず羨まず、こつこつと、平平凡凡な我々は努力するのみ(笑)

Classroom of japanase high school次に公立高校。
公立にも私立専願に似た推薦入学があります。一般に県大会出場者、そして、中堅高なら内申がオール4以上のような条件があります。
スポーツ推薦のほかにはボランティア推薦や学力推薦があります。けれど、ボランティア推薦はそう多くはないと思います。
学力推薦は、行きたい高校の偏差値により違うので、ほとんど3でもよければオール5に近くないといけない場合もあります。
そして、ここで、気を付けなければならないのは上位高に推薦入学しようと思う生徒は全員がもちろんその条件を満たしているということです。
ですから、自分はいつも中学でTOP5にいると安心してはいけません。受験するそれぞれの生徒がそれぞれの学校で5だらけだし、トップだし、生徒会長だし、部活のキャプテンだしと、なります。つまり、内申に5と記載されても実際は3と同じだということを親も子も理解しなければなりません。ですから絶対天狗になってはいけません。運よく合格できても、その現実を理解できない生徒は結局ドロップアウトしてしまいます。

一般入試、これはもう大変です。私立は福岡では、いまだに滑り止めという感覚なので、公立に流れる生徒もみこし定員以上の人数をとりますが、公立はそうはいきません。しかも、当日のテストの点数が良くても内申が悪ければアウトです。

中3の三者面談で、この公立は難しいのではと学校の先生がおっしゃるのは、受けても内申が満たず、不合格になる場合が多いからです。
つまり、内申が合計27必要な高校受験するときに2がちらほらあれば、よほど、本番の試験で高得点を出さない限り合格しません。教育委員会がしっかりと、内申点と本番の試験での出来栄えの両方から合格か不合格か判断するように決めています。
どちらも満たしている人が、まずAグループ・次にどちらかが受験に満たないBグループ、そして、どちらも満たないCグループ。よく志望校判定でA判定B判定などとでますがそれと同じようなものです。ですからCの上位者が合格する可能性も残されていますが、やはり確実性からいけばAでなければいけません。ですから最終的に決めなければいけないのは、公立に行きたいのか、その高校に行きたいのかです。もし、公立に行くこと自体が望みなら自分が志望している高校に内申が最初から満たないのであれば、下位に落とすしかありません。けれど、どうしても、その高校に行きたいのであれば、内申が不利でも満点とる覚悟で受験するしかありません。

いずれにしろ、最後の最後で慌てなくていいように、日ごろからしっかり勉強しておくことが大切です。

プログレスゼミナール 小川 文子

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