ずっと、気になっていた子がいました。中学時代、少し辛いこともありましたが、それを乗り越えて、無事高校に入学し、元気な姿を見せに来てくれたのが8年前。
でも、なぜか、ずっと気になって気になって、最近特にどうしているかなあという思いが強くなっていました。
そしたら、なんと、その子が本当に8年ぶりに訪ねてきてくれました。
その子も私が元気にしているかなあと気になって、塾の前は何度か通ったそうです。
私の塾は、まあちっぽけな建物ですが、一応ビルの2階。現在小学生はいないので、塾が開くのは中学生相手の夜だけなので、私がずぼらして、入り口のシャッターを閉めたままの時が多かったので、そのままやり過ごして帰っていたそうです。
そして、ようやくつい1週間ほど前再会に至りました!
正直八年の月日は長く、本人が名を名乗るまでは、誰か気づきませんでした。
それは、高校を卒業してからの自分史を私に微にいり細にいり、話してくれてわかったのですが、やはり社会に出てからも、色々な困難にぶちあたりながらも、専門学校に行ったり、転職を重ねながら、ようやく洒落ではありませんが、自分の天職を見つけ、その職場で生き生きと働いていることを、報告できる喜び、自信に満ち溢れた瞳が、八年前のまだまだ少し不安げな表情とは、完全に違っていたからです。
大人の女性になっていた。すっぴんでもさすが若いぴちぴち肌は違う((笑))
とても、輝いていて綺麗でした。一緒に写真を撮ろうということになりました。なるべく八年前と同じように。
どちらも、スマホを構えているのは彼女です。アナログ人間には文明の利器は使いこなせないのでされるがままです(笑) 私の顔が老け顔にならないように加工してくれたのがありがたい!!
この二つの写真見比べてください。一目瞭然ですよね?
全然違うでしょう?
アッ、そうそう。その天職をまだ言っていませんでしたね。
保育士になったそうです!! 随分、その職に就くまでには遠回りしたようです。
今年の4月からだということなので。高校卒業してから考えると6年かかっています。
でも、急がば回れとも言いますし、本来なりたかった職業の一つだったとのことで、本当におめでとうと言いたいです。
彼女は核家族ではありませんでした。
おばあちゃんも一緒に住んでいました。そして、お母さまが一生懸命におばあちゃんを介護なさっていたのも目にしてきています。自然と、人への思いやりや気遣いが家庭でも育まれてきたのだと思います。
なんと、今、0歳児を担当しているらしいです。まだ、独身の彼女です。おっかなびっくりで、赤ん坊をあやしているのではと、不安になりますが、園長先生始め先輩の先生方もとても良い方らしく、優しく指導して頂きながら日々成長していっているようです。いい職場に巡り合えたことも、彼女にとっては、ラッキーでしたね。
こうやって、嬉しい報告をしてくれる生徒たちがいるから、老体に鞭打って(笑)35年間塾を続けてこられるのかもしれません。
帰る時には、何も手土産を持ってきてなかったのを悪いなと思ったのか、カバンの中から、クッキーを一つ取り出して渡してくれました。
なんだか、涙が出そうになりました。ほんとに、良いお嬢さんに育ってくれたと。
そして、階段を降りる時は何度も何度も振り返り、「先生、体に気を付けて頑張ってくださいね」と言って帰っていきました。
なんで、そんな優しいこと、気遣う言葉言えるの~😢
中学生の頃、滅茶苦茶、今ならアウト?くらい、叱りまくっていた鬼のような先生に((-_-;)
今いる生徒達の中にも、「俺は精神的には先生に殺されている」とか、憎まれ口叩く子もいます。
その子が今から10年くらいして会いに来てくれた時は、きっと同じように優しい言葉がけをする大人になってくれることを、願いつつ、やっぱり、相変わらずしごきまくっているわたくしであります。
プロゼミ 小川 文子