一般入試三年連続五割切る!

塾のこと

今年も、プロゼミから志望校合格者は出ました。私立・公立問わずに、弱小塾だから人数も少ないこそではありますが、大手塾の言い方を借りれば、まさに、驚異の100%志望校合格です。
このこと自体は喜ばしいことですし、私立においては、常に特進、しかも、奨学金を頂ける生徒達ばかりですので、大手に引けは取らないどころか、大手も参加している県模試においても、プロゼミ塾生が公立の志望校順位でも第一位、悪くても二位。私立に関しては、社会の順位ベスト3の中に2人塾生が入っていたこともあり、誇らしいと言えば誇らしいし、嬉しい。

けれど、以前も書きましたが、教師冥利に尽きる瞬間が何度かあります。一番は、志望校合格の瞬間。そして、大人になっても訪ねてくれる時。あんなに泣き虫で幼かった子が赤ん坊を抱いてきたときのうれしさは言葉に表せません。
そして、やはり、我が母校に生徒が合格し、全体同窓会で再会するときです。
半世紀前は、まさに入試は一発勝負。点数を満たしていれば合格します。私立は、今ほど細分化されておらず、普通科か工業系しかありませんでした。そして、共学は数えるほどしかありませんでした。
けれど、時は移ろい色々な改革がなされてきました。内申書を重視する、公立は推薦入学を実施する。推薦が始まったころ、部活推薦・学力推薦・ボランティア活動推薦などがありました。
この時、老人ホームから悲鳴が上がりました。突然、ボランティアが増えた。似非ボランティアです。推薦を狙うためです。また、生徒会に立候補する人も増えました。プロゼミには、結構多くの生徒会に携わる生徒がいましたが、殆どの生徒は純粋な動機です。よこしまな気持ちの人はいません。彼らの人柄の良さは見ていてわかりました。けれど、内申書・推薦目当てだろうと陰口をたたかれた人もいて、本当に、この推薦制度の意義にずっと、私は首を傾げています。学力推薦ですら、内申書には学力以外の要素も多く入っており、結局学力推薦で入学しても、成績自体は伸びず下位に甘んじている人も多いからです。
そして、私立も色々対策を講じてきました。特進を作り、工業系ではなく普通科にかじを切り、共学化になり、専願という制度を設け、囲い込みを始めました。成績が良ければ、学費も無償です。国よりも早く、数10年前から実施しています。
今でも記憶に残っている女子生徒の言葉  先生には、とても感謝している。本当は、先生と同じ公立高校に行きたい。けれど、朝から晩まで必死で働いているお母さんを見ると、どうしても、公立にはいけないと。  本来なら、公立の方が私立より安いから経済的に助かるのですが、彼女は、とても優秀な成績の持ち主で、もし、私立に行けば、そこの私立は、学費は無料に加え、毎月3万円を支給してくれるのです。でも、おかあさんは、一銭もそのお金には手を付けず、彼女の大学資金に充てました。泣ける話です。でも、そのお金があったからこそ、彼女は東京の大学まで、行けたわけですから、彼女の15歳の時の選択は正しかったのでしょう。いわゆる、ほんとにできたお嬢さんでした。
私立の奨学金制度・専願に始まり、少子化の加速により、とうとう、これまた、何度か触れていますが、公立は、わけのわからない、特色化選抜まで打ち出しました。この、特色化選抜の影響が一番一般入試五割を切った要因ではないでしょうか?
推薦とは、違い、中学の校長推薦や職員会議は不要。各高校が示した条件を満たせばそれでOKです。定員割れを防ぐために偏差値の低い高校だけでなく、最近は、かなり偏差値の高い高校も導入しています。勿論、条件は厳しくはなります。けれど、くどいですが、点数だけでなく日頃の学習態度なども加味されますから、案外容易に条件は満たせます。そして、ここでほぼ、公立は合格内定者を出します。こうなると、いわゆる滑り止めの側面もあった、私立高校の入試すら受ける必要はありません。私立入試願書提出前に合格発表があるからです。
受験料も事前に支払う必要がありません。そして、今年度からは、授業料無償化に伴い、私立専願への動きも加速しました。専願だから、合格したら必ずその私立に行くのが条件で試験の難易度も低くまさにwinwinの関係です。
このように、本来なら3月の一般入試迄必死で受験勉強に励んできた生徒達が、2月までに高校を決めてしまうようになりました。確かに一発勝負は公平なようで、不公平な部分もあります。体調を崩し本来の実力が発揮できなくて不合格になる生徒もいます。特色化選抜や推薦なら、高校側が提示した内申点から判断し、当日に筆記テストはありませんから、あがり症の人にはいいかもしれませんね。
けれど、ここには、保護者・生徒の早く進学先を決めたい、とても3月迄、モチベーションを維持できない、言ってみれば、早く楽になりたいという、心の弱さが見え隠れします。
そして、かく言う私も、最近一般入試の生徒が減ってきていることに、少し慣れも出てきて、自分自身も、早く指導を終えたいという気持ちが恥ずかしながら一瞬よぎってしまいます。
一般入試迄頑張るという生徒は、クラスで10人にも満たないという話も聞きました。
私も我が母校の全体同窓会で教え子に出会う機会も少なくなりそうです。3月迄受験勉強を頑張って何としても行きたいと思わせるべく魅力ある改革を行う必要があるかもしれません。
本人の考え方・ご家庭の教育方針はそれぞれですから、どれが正解かはわからないし、私立・公立とも一長一短あるでしょう。

けれど、ただ一つ言えることは、どんな受験方法を選択しても、結局、また今からの高校生活・大学生活、そして、社会人になっていく段階で必ず多くの困難は待ち受けていること、そこを肝に銘じて、強い精神力を養っておくことは大切だということです。
若久でも勉強面だけではなく、そういうガッツのある生徒達を育てていきたいと思います。

プロゼミ 小川

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