塾のこと

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しつけとは

最近塾の前の道に小さな自転車、ペダルなしだが、乗り捨てられている。 塾の生徒曰くペダルなしなのは幼児が乗るものだとか。 ある日その自転車に乗っている子を発見。 黄色い帽子に黄色いカバーをつけたランドセル。一目で小1とわかる。 しかも、帽子にランドセルのままだということは、一度も家に帰っていないことになる。 「あなた、まず、一度家に帰って帽子をとってランドセルも置いてきてから、遊びなさい。だいいち、どうして家に置いておかないの?」 「1階にしかないの」 自転車の置き場所のこと? 「じゃあ、家の玄関の前まで持っていけば?」 私の問いかけには返事せず、そのまま、乗り捨てて彼女は自分の家に帰っていった。 案の定例のマンションだった。 指定日以外のゴミ出し頻繁。明らかに風俗関係とわかる人たちの出入りも激しい。 管理会社も匙を投げ何度も変わった。結局自然にそういう住人が集まってしまった。 お母さんは働いているみたい。首からカギをぶら下げていた。お母さんが働いている家庭は確か学校帰りも学童クラブかなにかでしばらくは面倒を見てくれるはず。 もともと、申し込まなかったのか、はたまた最初から、申し込まなか...
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丸天うどん?!

最近久しぶりに塾内で泣いてしまいました。それは、前学年の復習テスト。 採点をしていて、涙が止まらなくなってしまったのです。 「どうしたと?」「全部間違えとった?」 不安そうにたたみかけて聞いてきます。 そうじゃない。ほとんど正解していたので、あとからあとから涙があふれてきたのです。 その子は、あっ!そうそう、このブログの表紙を飾っている、まさにこの男の子です。 この生徒は小1でやってきました。早生まれの小1です。どれだけ、幼かったかわかるでしょう?  本来なら幼稚園の年長さんですよ。 私の塾の卒業生で、既に社会人になっている人の親御さんからの紹介でやってきました。 学校の成績がなかなか伸びない。担任の先生からも心配の声がと。 でも、まだまだこれからですよ。少しやんちゃそうですが、大丈夫ですとお預かりしました。 言葉のキャッチボールはできるし、とんちもきくし、決して知能が低いお子さんとは最初から思いませんでした。 けれど、とにかく気分屋、気持ちが乗らないと、てこでも動かない。泣き叫ぶ。 塾から脱走する。  テストの時は抱っこして最初はさせました。 帰る時はおんぶして階下におろしました。 ...
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桜咲く!!

公立高校の合格発表です。 今年は3名が一般受験。 筑紫中央高校 1名 柏陵高校 2名 無事に合格。ほっとしたところです。 柏陵高校の二人は順当。筑紫中央の生徒は正直心配でした。どうしても模擬試験ではA判定はおろか、BやCで、私も親御さんもワンランク落とすように勧めました。 本人が行きたいことは重々承知。けれど、お兄さんも今年の春から東京の大学に進学。金銭面で、かなり大変だとか。私立も特進コースに合格しているし、どちらに転んでもいいわけですが、そういう事情から最後の最後まで親御さんも悩まれました。 けれど、彼女の意志は固かった。 見事合格の一報。 私もお母さんも泣いてしまいました。 その後本人からも電話。聞けば、自分より成績の良い人が不合格だったと。 その合否の分かれ目はいったい何だったのか。 多分内申書です。彼女は十分すぎる内申点でした。不合格の子は低かったらしいです。 内申点って、どうだろう? そもそも、内申重視になったのは、本番で日ごろの実力がだせないままに終わる場合もある。つまり、今回のように普段の成績はいいのに思うように力が出せない子のために設けられたのです。そして、主要5教科...
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個別授業主体に戻ります。

昨年度中3は一斉授業を多く取り入れて、より高みを目指す塾に生まれ変わる予定でした。 しかしながら、やはり、どうしても一斉授業は難しかった・・・ 掛かりつけのお医者さんのところに夏期講習時期や受験間際に胃薬を毎回貰いに行く話は度々したと思います。その先生が「成績のいい子は小川さんのところには来ない。もっと、大手の有名な塾に行くよ。だから、心労から来る胃痛はなかなか治らないかも」と、おっしゃいました。一瞬あれ?生徒にも私にも失礼なこと言ってる?と思いましたが、そうではありませんでした。「他の塾で成績が伸びなかった人が塾を変わって、別の塾へと言うよりは、小川さんを頼ってくるとよ。小川さんに何とかしてもらいたいと、藁をも掴む気持ちで来るとよ。だから、仕方ないよな、頼ってくるんだから」と、付け加えられました。 ある意味目から鱗。 そうだよな、今までだってそうだった。みんな色々な塾に行ってもだめで、駆け込み寺のような感じでプロゼミにやってきていたな。原点に戻るべきだと思い知らされました。私のような個人塾に課せられた使命は、やはりそういうところにあるのだと。 昨年度もそういうわけで、個別を主にやりま...
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英検会場にて

プログレスゼミナールでは、小6の生徒には英検5級の受験をさせています。 小さいお子さんで得意げにネイティブスピーカーのようにきれいな発音で会話をする子もいますが、残念ながら現在の日本の教育では何の役にもたちません。 文科省が大きく方向転換しない限り、中学に上がれば、ペーパーテストの点数のみでしか、成績の良しあしは判断されません。 そういうわけで、私は必ず受験させます。 日本の教育は首をかしげたくなることが多々あります。中1では、英語も、もちろん習いますが、ローマ字も習います。 えっ、小学校でしょ?ローマ字は!と思っていらっしゃる方もいるでしょう。確かに習います。 けれど、これまた、何の役にも立たないのです。 なぜなら、小学校とは違いヘボン式になるので、ToukyouではなくTokyo. Susiではなくsushi. ですから、下手したら自分の名前が書けない人もでてきます。 塩田は、siotaではなくshiotaですからね。 色々とほんとにこんがらがってしまいます。なんの中学準備もせずに四月を迎えたら。 さて、題名の英検会場についての話を進めます。 会場には、さまざまな人がいます。幼稚園...
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謹賀新年

みなさま、あけましておめでとうございます。 気が付けば、29年目に突入。パパやママになった塾生もどんどん増えてきています。 私の塾は、○○高校何名合格などの実績を掲げてそれを売り物にしている塾ではありませんから、当然あまり秀才・天才は集まりません。 けれど、最近はそうでなくなったのが残念ですが、以前は生徒会や体育祭のブロック長や、部活キャプテン・合唱コンクールの指揮者などをかって出ていた人が多かったです。 大手塾に通う子はそういうのを一切やらなかったり、部活も早退していると聞きました。 そして、合唱コンクールの打ち上げの日程を決める際も自分たちの塾の曜日でない日に決めたがるそうです。 そりゃあ、偏差値は高いだろう、でも、人としてどうだろう?って感じです。 いつも、訪ねてきてくれる私立高校の先生に○○さん、結婚しましたよとか、○○さん勉強はさっぱりなので、大学進学はせずに調理師専門学校に行くそうですとかいうと、そうですか?あの子の店なら僕行きますよ。いい子ですからとおっしゃってくださいます。 1人2人の高校ではないんですよ、数百人1学年にいるのに覚えてくださっているのです。 以前こんなこ...
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365個の命

今年もあとわずか。 一年365日。 最近というか相変わらずいじめによる自殺が後を絶ちません。 目立ってきたのがいわゆる原発いじめ。 震災のあと、福島からやってきた転校生に、放射能だのばい菌など、あるいは、賠償金せしめたんだろうとか、心無い言葉を発するいじめが増えているとのこと。 しかも、低学年で賠償金などの言葉がでるらしいので、家庭でいじめている親御さんがそういう話をしているのかもしれません。 また、ばい菌呼ばわりされてつらいと担任に再三再四悩みを打ち明けたのに、こともあろうにその担任まで、その児童の名前にきんをつけて呼んでいたそうです。 しかも、そのことについて周囲からバッシングを受けることで精神的に追い詰められ心のケアが必要だと学校関係者が言っているというから、驚きです。 児童は、まさにそういう思いをしたのですよ。苦しんだのですよ。それを、あなたは気づかなかったのですかと言いたいです。 学力の偏差値は高くても心の偏差値が低かったのでしょう。 しかしながら、子供はいじめだけではなく、傷つくことがほかにもたくさんあります。 親子関係・部活での先生や仲間たちとの関係、そして、私の塾に来て...
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私立高校の選び方

いよいよ受験シーズン真っ只中。 12月には三者面談で私立高校の受験先が、ほぼ決まります。 私の時代には専願というものも、前期・後期試験というものもなく一発勝負。 そこで、不合格になったら、そのあと二次募集あるいは三次募集をする高校を受験するしかありませんでした。 また、女子校・男子校とちゃんとすみわけされていて、そして、ほとんどが普通科。 農業系・水産系・工業系は大学進学希望しない生徒や、正直学力の低い生徒が行くところでした。 そして、何よりも公立の滑り止めという位置付けでしかありませんでした。 しかも、出身校として名乗っても恥ずかしくないと言われた私立はごく僅かでした。 名乗っても恥ずかしくないなどと、なんてことを書くんだと思われるかもしれませんが、本当に私たちが中学生の頃はそういう観点からしか私立を見ていなかったのです。 ですから、○○高校だけには絶対行きたくない。あるいは○○高校出身の生徒が国立大学にでも受かろうものなら、ほめてもらえるどころか、なんで、あの高校の生徒が受かったのかと陰口をたたかれるほどでした。 しかし、そういわれた高校も歯を食いしばって耐えてきて、特進コースや総...
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家庭のあり方

最近電車の中で2通りの親子連れに遭遇しました。 ある4人連れの家族。まず、子供2人が座席に座り、両親はその前に立ちました。 そして、一言の会話もなく、家族全員がスマホを取り出し、各自一心不乱にゲームと格闘。 両親は立ったままですよ。目的地に着くまでずっとです。 正直うんざりしました。もっと、何か会話をしたらいいのではないかしらと思いました。 次の日。父親と息子さんの二人連れ。現在西鉄が実施している謎解きトレインに参加中のようでした。あらかじめ購入したキッドを使いヒントが隠されている駅に降り立ち難問を解決していく内容です。 息子さんの方が一生懸命考えて、次の駅は「二日市だ!!」と叫びました。お父さんの方は先に問題を解いていたようでしたが決して教えることなく本人が解くまで待っていたようでした。ようやくできたか?でもよくがんばった!とお父さんの心の中の声が聞こえてきました。 家庭環境はさまざまです。どちらがいいか悪いかと、早計にいえません。 けれど、私は後者の方がいい家族のように感じられます。 また、朝食をきちんと用意する家庭とそうでない家庭があります。 昔は朝食は必ず摂りなさいといわれてい...
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生前退位

天皇陛下の生前退位に対するお考えをお聞きして、とても感銘を受けたのと同時に、私自身恥ずかしい思いを感じました。 それは、陛下が全身全霊をかけ、国民と接しておられるとのお言葉。 私は、果たして、この仕事に携わっていて生徒たちに全身全霊をかけ接しているだろうか? 28年前塾を始めたような時の思いが、果たして今でも残っているだろうか? 塾を始める前にはほかの仕事をしていたので、自分自身の学力は、かなり落ちていました。 中学校の勉強になると、それが顕著でした。 毎晩のように私自身が勉強しないと、勘は取り戻せませんでした。 また、私立高校も今のように誰でも入れることもなくある程度の偏差値確保を目指し必死で指導したものです。 しかし、昨今は少子高齢化に伴い私立も青色吐息。生徒集めに躍起です。昔なら不合格間違いなしの点数でもすっと入れるようになりました。 そうなると、こちらもそこまで必死になりません。どこかには入るだろうなんて軽い気持ちになりがちです。また、小学生の指導にあたっても、マンネリ化しているのも否めません。 そんな時ご高齢にもかかわらず激務続きの陛下の、このお言葉。 しかも、生前退位は、自...