母が今の施設にお世話になって、二年ほどの時が流れました。
最近は、昼間ベッドに横になる日が多くなりました。と、言っても体調を崩しているわけではありません。
聞くところによると、母は日中はなかなか排尿排便をしないらしい。
そして、夜間、おむつをしていても染み出すくらいの大量の尿をするそうです。
と、なると、本人も介護者も大変。そこで、日中も夜と同じ雰囲気を作るために昼食後の何時間か横になってもらうことにしたとか。
そのことにより心も体もリラックスするのか、昼間も排尿・排便起こるようになり、おむつの量も少なくなり、また、安眠も得られるようになったとか。
実は、介護に関しては以前はベッドに手を縛りつけたり、つなぎ服を着せたりすることが容認されていました。けれど、最近は拘束するということは人権に対する配慮がないということで、病院では命の危険もあるので、ある程度認められていますが介護施設では法律違反になるので、禁じられています。
母が入院した時はおむついじりがひどい為、私の了承を得てつなぎ服を着ていました。
次の施設では、拘束はできないので、大判のバスタオルを体に巻きつけて防いでいました。
そして、今度の施設。
ここでも、おむついじりは半端ないのですが、どうしても拘束はしたくないという施設の方針で何も対策はされませんでした。
けれど、母の部屋の窓のカーテンはいつもかかっていません。おむついじりをした後の汚れた手をカーテンになすりつけるので外してしまわれていたのです。
爪の中もどうしても汚れてしまいとても不潔になります。
そこで、ミトンをすることにしました。これも、拘束の一つです。手の自由が利かなくなるから。
けれど、致し方ない場合はOKです。
ミトンをすることにより、おむついじりは、なくなりました。けれど、真っ白なミトンがいつの間にか縁が真っ赤に染まっています。 血? けれど、スタッフの方からは何の連絡もありません。
気になり聞いてみました。すると、母が寝付くとき指しゃぶりならぬミトンしゃぶりをしているとのこと。その際睡眠導入剤の薬を飲んだ後口中にうっすらと残った薬の色がついているのだろうと。それからは、私も頻繁に持ち帰り洗濯をしたので、色素の付着はなくなりましたが、そんなに母はミトンしゃぶりをしているのかしら?と半信半疑。
ここで、話が振出しに戻りますが、夜間と同じ状態と言うことは、当然昼間もミトンは必須。
私も母のミトンしゃぶりを目撃することになりました。
娘が、母親がちゅぱちゅぱミトンを懸命に吸っている姿を見るのは異様な感じがしますよね?
娘の前でおしゃぶりを見られたら普通恥ずかしいのでしょうが、母は気にも留めずちゅぱちゅぱ、ちゅぱちゅぱ。
その時私、つくづく、ああ、おかあさん、ぼけてよかったね!!と思いました。
それこそ、子供みたいな表情でものすごくリラックスして横になっている母。
自宅にいてまだ元気な時に昼間横になっている母を一度も見たことはありません。
結婚した当初からずっと貧しかったので両親とも働きづめ、そして、年がら年中ずっとお金の心配をしていました。当座にお金は入ってるかな、消費税のお金は払えるかなと、認知症を発病した当初も口癖のように言っていました。
今はそんな心配もなく、穏やかに過ごしている。我が子の前でもおしゃぶりをやめない。
身も心もストレスから解放され、まさに無我の境地にまで行きついているかのよう。
このまま、穏やかに余生を過ごしてほしいと祈るばかりです。
どじょうすくいのイベント!
似合ってる!!