今年も悩み多き一年でした。

塾のこと

早いもので、もう、師走。受験生にとっては本番が差し迫っています。
昨年までは、何度も保護者と話し合いを重ね、本人の希望をかなえてあげたいという思いと、その子の資質を鑑みて高校選びをしてきました。
けれど、今年は、あまり私に相談されず、あるいは、相談されたとしても、そのあと、私の知らない間にいつの間にか志望校を変更されていたりなどされ、信頼関係が結べなかったことが、少々残念です。
急に変更された方の殆どが一般、つまり、公立希望から専願、つまり、私立のみの希望にされたことです。
しかも、ほぼ、部活がらみです。つまり、さほど受験勉強しなくても、合格できるわけです。私は、部活をすることを悪いといっているわけではありません。体力・精神力・団結力と、色々な力を身に着けることが出来ます。
けれど、変な、特権意識を持つ人が多くなることも事実です。
僕は私は部活で活躍している、上手いんだぞ、だから、勉強なんてやらなくてもいい。部活で高校に行けるからなどと、考えてしまったら、必ず先々で後悔することになります。高校は部活をしに行くわけではありません。将来に役立つ知識や教養を身に着けるために行くのです。
考えてもみてください。スポーツで生きていける人はほんの一握りです。よほどの才能がない限り無理です。また、では、スポーツ選手は何も勉強してこなかったのでしょうか?中には、そういう人もいるでしょう。けれど、教員免許を取得している人、あるいは抜群に語学が堪能な人他に特技がある人などもたくさんいます。
保護者の気持ちもわかります。もし、確実に高校に合格できるのであれば、部活推薦に頼りたくなるのも。
けれど、その途端、まるっきり勉強をしなくなる生徒も多くなるのも事実です。
私は出来れば、部活が手段であってほしい。必死で勉強して、あと少しで希望の高校に入れそう。自分は部活でも活躍している。だから、そのことも生かそうと、考えてほしいのです。部活を目的とした学校選び、あるいは、簡単には入れるためのそちらの方の手段にはしてほしくないのです。
私は、もう少し頑張れば絶対当初希望していた高校に入れるはずだった生徒たちに頑張ってほしかった、安全策に変えてほしくなかった。立ちはだかる高くて厚い壁を打破すべく頑張ってほしかった。背を向けなだらかな道にいってほしくなかった。
私は、目先のことだけでなく将来のことをいつも考えて生徒に指導しているつもり。
例えば、この子は家庭的にめぐまれていないので、将来早めに独り立ちをして、生活しないといけないかもしれない。それなら、普通科でない方がいいのではないか。あるいは、この子は少し、一般常識に欠けるところがある。ルールやマナーを守るということが欠如している。だから、社会性を身に着けたり、女性として最低限知っておくべきことを学ぶために幼児教育や食物調理関係に進むのがいいのではないかとか考えます。
いらぬお世話と言われたらそれまでです。
親が一番子供のことをわかっているのだからとも言われれば、何も返す言葉はありません。

今の私の望みは変ですが、高校で死ぬほど苦労してほしいということです。
勉強をおろそかにしてきたら、こんなに大変なのかということを、身をもって知ってほしい。いや、知るべきだと考えます。
点数UPのためではなく、勉強に真摯に取り組むその姿勢こそが将来困難にぶつかった時に解決できる底力に通じるのです。

プログレスゼミナール 小川文子

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