在宅か、施設か。

介護のこと

両親を介護するとき在宅か、施設かみんな悩むと思います。
私は、もし、両親が足腰しっかりしていたら、在宅は可能だと思います。
認知症も最初は、本人達も自分がおかしくなり始めていることをうすうす感じているので、その恐怖不安の裏返しで、家族にあたりちらします。けれど、だんだん症状が進むと、その感情もなくなるので、まあ、言葉は悪いですが扱いやすくなります。
ただ、あまりにも足腰が達者だと徘徊するので、ケースバイケースです。

私は、父が徘徊と昼夜逆転に危険行為などがあり、しかも、私一人で認知症の両親を介護しないといけなかったので、在宅は無理でした。
父は施設に行く前精神科に入院させましたが、入院中に肺炎を起こし内科の病院に転院、そのあと、お世話になっていたデイサービスのショートステイにお願いしましたが、また、そこで、誤嚥性肺炎を起こし、再度入院。そのあと、今度は別の療養型病院に転院。
もう、そのころは、体力はなくなり、ずっと車いすで目を閉じたまま。
ところが、看護師さんの話では、夜、覚醒、足腰弱っているのに素早い動きでベッドの柵を乗り越えるとか。病院側は骨折などを気にしていて、早く出て行ってほしいという感じ。しかしながら、父の症状というか行状(笑)を聞くと、どこの施設からも断られました。ようやく、引き受けてくださったのは、私の高校の同級生が勤務していた施設。
一週間以上会議を重ねようやくOK下さいました。
余生は穏やかに暮らしてほしいと思ったのもつかの間、わずか4日で亡くなってしまいました。
最初、あの病院に入院させなければとか、最後は在宅介護をしておけばよかったとか、あとからあとから後悔はわいてきます。
でも、いくら悔やんでもすんでしまったことは、戻ってきません。

ですから、母だけは後悔のないようにと、人工関節の手術をさせて、痛がらず歩けるようにと老健でもリハビリに精を出していたのに、脳こうそく。しかも、麻痺は手術した方という皮肉な結果に。お世話になった老健はとても、面倒見の良いところで、母の異変にもすぐに気が付いてくれて、大事に至らずすみました。
急性期を過ぎた後の病院選びで失敗しました。どうして、人工関節の手術後お世話になった病院にしなかったのかと悔やまれました。その病院の上にお世話になった老健があったので系列の病院のほうがまた入りやすいと思ったこともあり、そこにしましたが、ただベッドに寝かされたまま。人工関節で入院した病院はデイサービスのようなシステムもあり、定期的にトイレにも連れて行ってくれました。尿意は残っていたので今度の病院でもお願いしたのですが、無理の一点張り。冷たい感じの病院でした。いずれにしろ、いつまでも病院にいることはできません。また、建前上老健は自宅復帰が目的。しかし、母の状態はそれは不可能なので、結局施設しか行く場所はありません。次の場所を探すようにケアマネージャーさんから催促されました。

介護に詳しい方はご存知と思いますが、よく、待機老人が何万人と言われていますね。
でも、それは、特別養護老人ホームに限ってのことです。有料は、がらがらです。つまり、金持ちはそれなりの素晴らしい設備の整った、まるでホテルのような施設に入れるのです。
けれど、我々一般市民はそういうところは無理なので、安い特養に流れてしまうのです。
私もその一人。けれど、幸運にも最初入った施設はオープンしたばかりなので、とてもきれいで設備そのものは行き届いていました。
これで、また、穏やかな日常が母に戻ってくると思いましたが、費用が安いなりにサービスは全然行き届いていませんでした。
それは、そこのスタッフがどうのこうのというのではなく、特養というは、規則としてデイサービス併設が出来ないのです。つまり、衣食住は保証されていますが、ただ、それだけ。たまにボランティアの方がいらして寸劇などを披露して下さいますが、それ以外は起きて、食べて、お風呂に入ってテレビ見て、寝ての単調な毎日の繰り返しです。

母の表情は日を追うごとに暗くなってきました。涙が出ました。こんなはずでは、なかった。父に対してできなかった分母に親孝行がしたいのに、このままでは、生ける屍状態。
どこか、有料の施設を探そう。そう決心しました。実は、父も有料だったのですが、交通の便があまりよくないので、塾の授業の準備などに少し困りました。
そして、ほんと、不思議なのですが、父は高校時代の友人が勤めていた施設。母は、幼児教育科時代の友人の義父さんが入居している、施設に入ることになりました。

その施設に入ってからはみるみる元気になった母。飛び切りの笑顔を見せてくれます。
私の毎日の生活はその分とても苦しくなりました。けれど、両親は貧乏のどん底で必死に私たち姉妹を育ててくれました。やはり恩返しはしなくてはなりません。罰があたります。
去年は子供劇団の訪問に感涙。久々のメイクにご満悦。そして、今年は施設内にできた神社で大吉のおみくじ引いて大喜び。切り詰めた生活の中にも喜びはあります。まだまだ、頑張りますよ!!

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