塾のこと、介護のこと。

プログレスゼミナール

認知症事故家族免責

 


160320私は学習塾を経営しています。今年度から偏差値60以上の高校に全員合格を目指すべく一斉授業もとりいれます!!と強い決意もブログTOPに書いています。
しかしながら、塾の記事かと思いきや、介護のことなど書いてあると違和感を持つ人も多いでしょう。
けれど、このことに関しては、このブログを立ち上げる時も説明したと思いますが、私も仕事を抱えながらたった一人で認知症の両親を在宅介護した経験があります。とても大変だったのは間違いありません。そして、高校の先生方が塾訪問された時もお互いの介護の話、あるいは、メールでもその話。保護者とも生徒さんの話をしていても、いつの間にか介護の話。塾を卒業した後も、頻繁に認知症のお母さまのことで電話をかけてこられる方もいます。
ここで、不思議なことに気づかれませんか?なぜ、私に相談するの?私は身内ではない。赤の他人。それなのにどうしてかわかりますか?
それは、当事者でしか、介護の大変さを理解することが出来ないからです。たった数時間でさえ介護経験もない身内より、本当に経験した人に相談したり、愚痴を言った方が心が晴れるからです。
正直私が介護している時は周りに相談できるような人はいませんでした。ネットに色々書いてありますが、私に言わせてみれば机上の空論です。実際生の声でないと響きません。ですからネットでも私は介護のプロみたいな人のブログやホームページは開きませんでした。経験者でもなく、ただ教科書通り、マニュアル通りにアドバイスされても、こちらは生身の人間と常に対峙しているのです。マニュアル通りに行くわけないことはわかりきったことです。ですから、私は私の経験を書くことにより、少しでも今介護で悩んでいらっしゃる人の参考にしてもらえばと介護のことも書くようにしています。

今回の列車事故は2007年に起こったものです。認知症の患者が徘徊中に電車にはねられ死亡し、その賠償責任を鉄道会社が遺族側に請求し、一審・二審は遺族側に支払いを命じました。私はこのことにとても憤りを感じました。言葉は悪いですが、「お前らには認知症の家族はいないのか!!もしいたら徘徊する認知症患者を24時間見守ることがどれだけ、不可能かわかるはずだ!一回お前もやってみろ!」と言いたくなりました。

私の例を言いますと、私は塾をしていますから、夜両親のそばにはいることができません。塾をやめれば生活できませんし、私を頼ってきてくれている生徒の指導をないがしろにはできません。幸い自宅の下の部屋が塾でしたので、父が徘徊しそうになると、玄関のカギを開ける音がしますから、生徒を指導しながらも耳を澄ませておき、いつでも止める準備はしていました。また、私の入浴中に出ていく場合もありますから、湯船につかっていても耳は玄関に集中させておきます。開けている!!そう思ったら、バスタオルを大急ぎで巻いて玄関に向かいます。もし、母親がしっかりしていたらいいのですが、母親も認知症です。あてにできません。それどころか、父を探しに行く間、母が火の不始末をするかもしれないという恐れもあります。何度もガスコンロを空だきして、よもやということがありましたから。
また、火事場の馬鹿力と同じ感じで、普段は足元もおぼつかないのに、徘徊するときの父は機敏で力もあります。私の家の前には線路があります。もし、そちらに行ったらと気が気ではありませんでした。昼夜逆転でしたので、父は昼間寝て夜活動します。本当に父が入院する前は睡眠をとるのもままならない状態でした。この事故の方の奥さんは当時、既に80歳を超えておられました。うたた寝をされる気持ちもわかります。きっと、くたくただったと思います。父もそうでしたが、外に出ていくときは、案外正気と言いましょうか、知恵が働きます。周りに誰もいないときに出て行こうとします。この方も、しめしめ、今のうちと思ったのではないでしょうか?結果自分が亡くなることなどは想像はつかないのに、です。悲しいですね。
また、私の場合、母も感情が高ぶったときは、線路に飛び込んで死んでやる!!と言いますから、本当にWで大変でした。その時は目が座り本当にやりかねない状態なので、見張らないといけません。ですから、母が落ち着くまでは、片時も目が離せないのでトイレにもいけません。このような、極限状態でみんな介護しているのです。トイレにもいかず、仕事もせず24時間見守るなんて、どれだけ不可能か経験者にしかわかりません。

ですから、今回の事故は他人事ではありませんでした。よほど、私も証人席に座り、検察官や裁判長に訴えてやろうかと思ったほどでした。最高裁の裁判長は年配の女性でした。思うに、その方の家族にも認知症の方がいらっしゃったのかもしれませんね。ですからこのように当たり前の判決が出たのだと私は思います。
一億総活躍と言いながら、なるべく介護は在宅でと、政府は矛盾だらけです。
今は昔でいう隣組、いわゆるコミュニティーが、とても希薄になっています。私も隣のマンションに誰が住んでいるかなど知りません。
長寿大国になり、暮らしやすくなるどころか、このような事件が今からも増えていくのではないかと案じられます。
何とかならないものかと歯がゆい気持ちでいっぱいですが、とにもかくにも、今回の判決で司法もまだ健全だということがわかり、少しほっと致しました。

プロゼミ 小川

 

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