2017-05

介護のこと

姪の涙

父が亡くなって5年になる。 両親ともに認知症。仕事を持ちながら私一人での在宅介護はやはり大変だった。 机上の空論という言葉がある。 たとえ、介護のいろはを学んだとしても実践に移さねば、ほんとのことはわからないし、ケースバイケース。マニュアル通りに行ったらそんな楽なことはない。 よく、保護者の方からも相談と言うか愚痴を聞いた。 お姑さんを施設にやりたいのだが、ご主人やご主人の身内が反対すると。 お姑さんは認知症。脳こうそく。車いす。気性が荒い。うちの母とそっくり。私は実の母。 いらいらすれば、正直暴言を吐ける。しかし、ご主人の親となると、それもできない。 お風呂に入れるときも重労働で腱鞘炎になったと聞いた。お舅さんは他界しているが、今のご主人の年齢で亡くなられたので、息子なのに夫と勘違いして、浮気をした。愛する夫を奪ったとその保護者の方を殴るという。 身につまされた。 私も母から日傘で殴られ、父もハンマーを振り上げたこともしばしば。 結局施設に入れられた。 私も最終的にはそうした。生徒にも暴力をふるいそうになったから。 それまでの一連の経緯を私は殆ど誰にも相談せず、自分一人で決めた。実の...
塾のこと

しつけとは

最近塾の前の道に小さな自転車、ペダルなしだが、乗り捨てられている。 塾の生徒曰くペダルなしなのは幼児が乗るものだとか。 ある日その自転車に乗っている子を発見。 黄色い帽子に黄色いカバーをつけたランドセル。一目で小1とわかる。 しかも、帽子にランドセルのままだということは、一度も家に帰っていないことになる。 「あなた、まず、一度家に帰って帽子をとってランドセルも置いてきてから、遊びなさい。だいいち、どうして家に置いておかないの?」 「1階にしかないの」 自転車の置き場所のこと? 「じゃあ、家の玄関の前まで持っていけば?」 私の問いかけには返事せず、そのまま、乗り捨てて彼女は自分の家に帰っていった。 案の定例のマンションだった。 指定日以外のゴミ出し頻繁。明らかに風俗関係とわかる人たちの出入りも激しい。 管理会社も匙を投げ何度も変わった。結局自然にそういう住人が集まってしまった。 お母さんは働いているみたい。首からカギをぶら下げていた。お母さんが働いている家庭は確か学校帰りも学童クラブかなにかでしばらくは面倒を見てくれるはず。 もともと、申し込まなかったのか、はたまた最初から、申し込まなか...